廃炉 Ⅱ
『廃炉』が決定し、解体される原子炉周囲の原子炉格納容器内部のものを放射性廃棄物とし、
残りの放射性コンクリートや金属を放射能汚染の無い廃棄物と一緒に産業廃棄物として
取り扱う。
この方針を1990年代後半に、原子力安全委員会と通産省の諮問機関である
総合エネルギー調査会が出しました。
この事は、下の図の緑線部分を放射性廃棄物として取り扱い、その他の赤線部は産業廃棄物
扱いにするとういものです。
この図は「沸騰水型炉(BWR)」と呼び、炉心に接した水を沸騰させ、そこで発生した蒸気で
タービンを回して発電する方式を表したものです。炉心では大量の核反応生成物やプルトニウム
が生じます。よって、炉心を通過している水がそのままタービンまで巡回するこの方式は、
タービンも激しく汚染されてしまう結果になります。
この短所を改善しているのが「加圧水型炉(PWR)」です。炉心とタービンの間に熱交換器
(青矢印)を設置し間接的に熱を取り出し、発電する方式です。
日本には、それぞれの方式を採用した原子力発電所が存在します。「加圧水型炉」であれば
赤線部分の放射性汚染は少ないかもしれませんが、「沸騰水型炉」であれば、汚染さ
れている事は容易に想像できます。ならば、放射性物質として管理、処分されるのが当然と判断
されると思うのですが・・・・・・・・・
いよいよ『廃炉』について方針を確定させなくてはならなくなります。なぜならば、原子力発電所
の運転開始が66年に1基、70年代に21基、80年代に16基、90年代に12期ですので操業30年
以上の原子炉が累計30基を超えることになります。
解体し撤去するにしても、
① 廃材の処分先をどうするのか?
低レベル放射性廃棄物として処分するにしても膨大の量になります。
移転先を決定するにも時間と労力が掛かるでしょう。
② 廃材の分別
全てを放射性廃棄物として処理するには膨大な費用が掛かる為、あるレベルで
放射性廃棄物と汚染の無い産廃として分けて処理する。
その線引きを決定するのも困難?
③ 労働者の安全
解体処分の際に労働者の安全を確保しなくてはなりません。当然、作業時間が制限され
多くの人材が必要になります。この事により、多くの時間と費用が要ります。
④ 周辺住民の安全
解体の際に生じる粉塵などが、周辺の住民にかからないようにしなくてはなりません。
その為の説明会などの実施も必要でしょう。
この様な、様々な問題が解体処分には付いて回ります。それならば、そのまま密閉して管理
したほうが良いのでは、という意見も存在します。跡地は放射能で汚染されているので再利用も
ままならない事も密閉管理の理由の一つでもあるようです。この場合の問題もあります。
『廃炉』になり、密閉管理された原子炉の代替の施設を何処に持っていくのかという問題です。
移転先を見つけるハードルは非常に高いことです。例え上手くいったとしても、日本中に密閉
された『廃炉』が存在し、放射能漏れが無いか数百年の期間で管理され、その代替えの
原子炉が島国である日本の海岸部のあらゆるところに建設され、操業される。
日本は島国で本当に良かった・・・・・・・・・
だって・・・・・・・・原子力発電所が何処にでも建てられるのだから・・・・・・・・・・・
