高速増殖炉の問題
ナトリウム漏れの事故を起こした高速増殖原型炉「もんじゅ」ですが、
他に問題はなかったのでしょか?
使えば使うほど燃料が生まれるという『打ち出の小槌』のような、夢の原子炉の問題点について
見てみましょう。
まず第一は、『安全性』についてです。ナトリウムについては「もんじゅ」の時にご説明しました。
その他の不安要素は、高速増殖炉の燃料である『プルトニウム』です。
プルトニウムは自然界には存在しない、極めて強い毒性を持った重金属です。極めて強い毒性
とは『放射性物質』と言うことです。『放射性物質』は、放射線を出すことで放射性原子核の数を
だんだん減らして無害化していきます。その放射性原子核の数が半分にまで減るまでの期間を
『半減期』と言います。プルトニウムの代表格のプルトニウム239の『半減期』は、約24000年です。
代表的と言いましたのは、原子炉の中では他に、プルトニウム236、238、240、241、242などの
物質が生まれているからです。その中で『半減期』が短いものもあります。
プルトニウム236です。『半減期』は2.9年です。
プルトニウム239の半減期24000年から見れば非常に短い寿命です。
短いと言うことは、言い方を変えれば放射性物質を大量に放射していると言うことです。
『半減期』が長いという事は、長年の管理が必要としますし
『半減期』が短いと言う事は、取り扱う安全性に慎重にならなければなりません。
この事から、運転時は勿論のこと、燃料の輸送や管理にもあらゆる安全性を担保しなくては
なりませんし、それに携わる作業員にも高度な安全教育、管理力を求められます。それらに
掛かる費用は自ずと膨大になります。
高速増殖炉を中心とした核燃料リサイクルは、ウラン資源の有効性という観点から理念的には
優れています。しかしなにぶんコストが掛かります。使用済み核燃料からプルトニウムなどを
分離せず、廃棄物としてそのまま処分する方式を『ワンス・スルー』と呼びます。
軽水炉の『ワンス・スルー方式』と高速増殖炉の『核燃料リサイクル』をコスト面で比較した場合
現段階では、前者には到底かないません。
こうしたことから、高速増殖炉を手掛けた米国、英国、独国、仏国などの国は開発を断念しました。
日本でも実用化を急がず、研究だけは続けているのが原状のようです。
目も心も軽やかに~~~~
目ではなく、身でした、『身』
